激甘男子の愛し方


「つーことで帰るな」



「……真子ちゃんに気持ちは伝えないのか?」



「……今更言えるかよ」




あれだけ『父親』だ、『家族』だなんて言っときながら、今更この気持ちを言ったら、真子が困る。



やっぱり真子の笑顔を守るのは、俺の使命だと勝手に思ってるから。



そんな俺が真子を困らせるのだけは絶対にイヤだ。



「俺はいいんだよ。真子を笑顔にしてくれる男が現れてくれれば、それでいい」



「……」



「じゃあな」



明良にそれだけ言って、教室を後にした。




「今だから伝えろよ……」



そう言っている明良の言葉に背を向けて―……



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