激甘男子の愛し方


ベットで背を向けて寝ている俺に、心配そうな真子の声が届く。



「あのね、洸……。実はこれ……」



そう言って小さな音が俺の耳に届いた。



それが少し気になり、そっと起き上がりテーブルの上に置かれているものを見た。



「これ……なに?」



「あ、あの、実はケーキなんだけど……」



白い箱からそっと取り出される色とりどりのフルーツケーキ。



そしてちょこんと乗っているチョコのバラ……か?



なんか形がいびつだけど、バラに見えないこともない。



「フルーツタルトなんだけど……」



「フルーツタルト」



「ちょ、ちょっと綺麗にはできなかったけど、味は大丈夫だと思う」




少し緊張気味に、でもどこか期待を込めたようなその瞳。




「真子が作ったの?」



「あっ、うん」



「ふぅ~ん」




あの男と……作ったのか?




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