激甘男子の愛し方



目の前に置かれいる真子の手作りケーキが忌々しく思えてくる。



どうしても、真子とあの男の並んで料理をしている姿が俺の脳裏を占める。



「あの、今お皿とフォークを……」



「いらない」



「……え?」



俺の言葉に戸惑うような真子の声。



「あ、あの……見た目は悪いけど、味は本当に大丈夫だし」



「だからいらないって」



「でも、洸の好きなもの作ってきて……」



いつもの愛しい真子の声に、今はイライラしかしない。



「好きでしょ、フルーツタルト。だからあたし……」



「好きじゃないから」



「……え。好きじゃない……?」



意味が理解できないかのような、真子の呟き。




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