シュガーレスキス
 2時頃、ようやく如月さんが出勤してきた。
 ひと眠りしたみたいで、顔が朝よりスッキリして見えた。

「後藤さん、俺との仕事内容説明するから時間空いたら来てくれる?」

 彼のハキハキした声が後ろから飛んできた。

「はい、分かりました」

 もう絶対逆らえないっていう雰囲気の声だから、私もちょっとびくびくしながらの返事をする。

「後藤さん、ファイト。とにかくあの人と組んで半年以上続く人いなくて……脅すわけじゃないけど、あまり逆らわない方がいいからね」

 ルリちゃんがヒソヒソと私に助言してくれた。
 半年以上続かない……?
 理由が気になる。

「如月さんがね、駄目出しするの。一緒に仕事してて息が合わないとすぐ捨てるっていうか。後藤さんがそうならないように影ながら応援してるわ……」

「え、じゃあ私はもしかしたら半年で用済みになる可能性があるって事?」

「まあそうだね。合わなかったら、また受付に戻されるかもしれないね」
「……」

 別に仕事が受付に戻るのはかまわないけど、何だか用済みになるっていうのが馬鹿にされるみたいで、すごく嫌だった。
 無理に気に入られようとは思わないけど、何とか彼の気持ちをクリアしてやりたいという気分にはなった。
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