シュガーレスキス
 沢村さん……今日も聡彦と一緒に仕事をしながら、複雑な気持ちでいるんだろうか。
 病院へ来た時の彼女を思い出す。あの子も必死だった。
 もっといい子ちゃんぶる方法もあっただろうに、あんな言葉を口にしたって事は、彼女の中でも全く余裕が無かったという事だ。



 一人で考えるとウツウツしてしまうから、私は健太に連絡をした。
 異性の彼に自分の妊娠の事とかを告げるのは多少恥ずかしい気もしたけれど、健太は どういう事にもクールに対応してくれる安心感がある。
 仲間暦も長くて、男だとか女だとかあまり意識しないでいられる居心地のいい存在だ。
 同性だと相手が感情移入し過ぎて一緒に苦しくなるから、私はあまり同性の友達には具体的な事を語っていない。
 沙紀に話しても、きっと彼女の方が泣いてしまったりしそうで……相談できない。

 如月さんにも、もう甘えるのを止めようと思っている。
 彼をこれ以上苦しめる事も、私には結構な罪悪感の元になる。

「久しぶり。どうしたんだよ、急に?最近全然連絡無いから心配してたところだよ」

 ちょうど移動中だったみたいで、健太はビックリして電話に出た。
 仕事中だって分かっていながら、彼は外回りの仕事をしてるから……と思って携帯にかけてしまった。

「ちょっとね。アニメどころじゃ無くなっちゃって……。時間あったら少し会えるかな?」
 
 あまりアパートから離れてない場所の喫茶店を伝え、健太に少し会ってもらう事にした。

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