シュガーレスキス
家の中に篭っていても精神的に悪いし、気分転換の為に散歩するぐらいならいいと言われていたから、日傘を差してゆっくり待ち合わせ場所まで歩いた。
セミが鳴いていて、まだ夏は終わらないというのを感じる。
このまま時間が少しずつ過ぎていって……数ヶ月経てば、お腹の子供はちゃんとした人間の形になる。その神秘さが私を不思議な高揚感に導いてくれる。
聡彦の記憶の事や、沢村さんの事で悩む時間もあれば、こうやってお腹の子と対話をしたりしてリラックスする事もある。
つわりも少なくなって、美味しい食事をしたいという気持ちになれたのも多少の余裕を出していた。
※
「菜恵ちゃん!」
私が喫茶店に入ろうとしたところで、ちょうど健太も今到着っていう感じで走ってきた。
「健太、ごめんね。仕事中に」
「いや、どうせお昼休みだし……今日は暑くて仕事もやる気になれないって思ってたところだったから。連絡もらって結構嬉しかったよ」
久しぶりに見た健太の明るい笑顔が私を少し元気づけてくれた。
せっかくだから美味しいランチにしようって事で、その喫茶店からあまり離れてないフレンチレストランに入った。
夜は万単位になるお店だけど、ランチタイムだけ2000円でコース料理が食べられるのだ。
「あのさ、私。全部食べられないかもしれないから……健太半分食べてくれる?」
店に入ってメニューを見ながら、私はこそっと健太に食欲のムラについて話した。
事情がまだ分かってない彼は、不思議そうな顔をしたけど「別にいいよ」と即答してくれた。
セミが鳴いていて、まだ夏は終わらないというのを感じる。
このまま時間が少しずつ過ぎていって……数ヶ月経てば、お腹の子供はちゃんとした人間の形になる。その神秘さが私を不思議な高揚感に導いてくれる。
聡彦の記憶の事や、沢村さんの事で悩む時間もあれば、こうやってお腹の子と対話をしたりしてリラックスする事もある。
つわりも少なくなって、美味しい食事をしたいという気持ちになれたのも多少の余裕を出していた。
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「菜恵ちゃん!」
私が喫茶店に入ろうとしたところで、ちょうど健太も今到着っていう感じで走ってきた。
「健太、ごめんね。仕事中に」
「いや、どうせお昼休みだし……今日は暑くて仕事もやる気になれないって思ってたところだったから。連絡もらって結構嬉しかったよ」
久しぶりに見た健太の明るい笑顔が私を少し元気づけてくれた。
せっかくだから美味しいランチにしようって事で、その喫茶店からあまり離れてないフレンチレストランに入った。
夜は万単位になるお店だけど、ランチタイムだけ2000円でコース料理が食べられるのだ。
「あのさ、私。全部食べられないかもしれないから……健太半分食べてくれる?」
店に入ってメニューを見ながら、私はこそっと健太に食欲のムラについて話した。
事情がまだ分かってない彼は、不思議そうな顔をしたけど「別にいいよ」と即答してくれた。