シュガーレスキス
「……実は、木本さんには先日誘われたんだよ。でも、お断りしたから……ちょっと気まずいかな」
「え、そうなんですか?」

 驚いた。
 沙紀は何も言ってなかったし、いつも通りだ。
 あの子は結構プライドが高いから、断られたなんて言いにくかったのかな。

「昨日の僕の態度で何か感じなかった?」

 唐突に八木さんは話を切り返してきた。

「え?昨日の?アイス食べた……あれですよね」
「それです」

 私は嫌な予感がした。
 いや、好かれるのは嫌じゃない。でも、今は全くモテたいとは思ってなくて、どちらかというと離れていて欲しいと思っているぐらいだ。
 これ以上聡彦を怒らせたくない。
 でも八木さんは私が聡彦と付き合っているのを知っていた。

「可能性が薄いのは分かってる。企画の舘さんに直接釘刺されたから」
「え、本人が?」
「ええ。今朝唐突に言われましたよ。“女には不自由してないんだろ”……って。彼、後藤さんと付き合ってるんですよね」

 なんてこと言うのよ、聡彦!!
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