あの夏の季節が僕に未来をくれた
朝食を食べ終わり、ごちそうさまと声をかけて食器を片付けると、母が隣で洗い物をしながらこちらを向いた。
じっと俺の顔を見つめたあと、ふっと顔を緩ませて笑いかけてくる。
まるで大丈夫だからって安心させるように……
その笑みが、いつもの気遣うような笑みではなく、本当の笑顔であることに一瞬動揺して顔を逸らす。
昨日とはまったく様子の違う母に戸惑いながら弁当を受け取ると、行ってきますと言ってその場を離れた。
いったい、どうしたんだろう?
自分に向けられた慈しむような眼差しは、いつもは弟に向けられてたもので。
俺には向けられたことのなかったそれは、俺を動揺させた。
素直に受け入れることなんか出来なくて、どうしても穿った見方をしてしまう。
何が母を変えたんだろうか?
今まで俺になんか興味を示さなかったくせに……
急に進路のことを言い出したりして。
こんな風にされることに慣れてない俺は、素直に喜べなくて。
嬉しいのにそれを見せるのが恥ずかしかった。
じっと俺の顔を見つめたあと、ふっと顔を緩ませて笑いかけてくる。
まるで大丈夫だからって安心させるように……
その笑みが、いつもの気遣うような笑みではなく、本当の笑顔であることに一瞬動揺して顔を逸らす。
昨日とはまったく様子の違う母に戸惑いながら弁当を受け取ると、行ってきますと言ってその場を離れた。
いったい、どうしたんだろう?
自分に向けられた慈しむような眼差しは、いつもは弟に向けられてたもので。
俺には向けられたことのなかったそれは、俺を動揺させた。
素直に受け入れることなんか出来なくて、どうしても穿った見方をしてしまう。
何が母を変えたんだろうか?
今まで俺になんか興味を示さなかったくせに……
急に進路のことを言い出したりして。
こんな風にされることに慣れてない俺は、素直に喜べなくて。
嬉しいのにそれを見せるのが恥ずかしかった。