あの夏の季節が僕に未来をくれた
やはり俺は自転車で学校にまで行ったらしく、ポケットに手を入れると、ご丁寧に鍵も入ってた。


寝ている間に自転車まで乗っていることに、軽くダメージをくらいながら、家路に着く。


1台1台決まった場所に自転車を置いて、何気なく隣の自転車を見た。


(なんだ!これ!)


隣にはかつて弟が乗っていた自転車があるはずだった。


だけどそれは見るも無惨に壊されている。


サドルは引っこ抜かれ、ブレーキも壊されて、見てわかるくらいにタイヤもぺしゃんこだ。


悪戯だとしても、やりすぎじゃないかってくらい壊されていて。


そこに激しい憎悪みたいなものがあるんじゃないかと思わずにいられない程の壊され方だった。


弟は恨みを買うようなやつじゃない。


俺の知ってるあいつは、誰にでも優しくて、そして誰にでも気を遣うようなやつだ。


もし、恨まれるとしたら、俺の方なんじゃないかと思えた。


俺を狙って、間違って弟の自転車を壊したんだとしたら……ハッとして後ろを振り返る。


そこにあったものを見て、俺は犯人を突き止めようと思った。


< 167 / 248 >

この作品をシェア

pagetop