あの夏の季節が僕に未来をくれた
(防犯カメラ……あれに写ってるかもしれない)


踵を返して管理人の元へと急ぐ。


エントランスを抜けてすぐのところにそれはあった。


管理人のおじさんは、面倒見のいい気さくな人だ。


何度か落とし物なんかを弟と二人で届けたりしたから、顔見知りではあった。


管理人室のドアを叩くと、のんびりとしたような声が返ってくる。


「はいよ~」


ガチャリとドアが開き、少し寂しくなった頭が覗いた。


ふっくらとした体型が安心感を与える。


管理人さんは俺の顔を見つけると、嬉しそうに目を細めた。


それから何かを思い出したように悲しげな顔になると。


「弟さんは残念だったね……」


と、お悔やみを言ってくれた。


そういえばあれ以来、ここには顔を出してないかもしれない。


「ありがとうございます……

だいぶ落ち着きました」

そう返事をすると、管理人さんは「そうかい」と一言呟いて、俺を奥へと促してくれた。


管理人室の中は、ほどよくエアコンが効いていて気持ちがいい。


入ってすぐに段差があり、その上は畳になっていて、時々足が伸ばせるようになっているみたいだ。


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