あの夏の季節が僕に未来をくれた
小さなテーブルの上には湯呑みとお茶菓子が置いてある。


その奥にはテレビと並んで防犯カメラの映像が流れていた。


下には録画するためのテープがたくさん並んでいる。


きっと今朝の様子も撮ってあるに違いない。


「ちょっと上がってお茶でも飲んでいきなさいよ?」


そう言って管理人さんは畳に腰を下ろしながら、俺を手招きする。


どう切り出そうか迷っていた俺は、管理人さんの言葉に素直に従った。


「ありがとうございます!

じゃあお言葉に甘えて少しだけ」


畳に腰掛けながら、俺は入れてくれたお茶に手を伸ばした。


「それで?何の用かな?」


お茶を一口啜ってから、管理人さんの質問に答える。


「実は……防犯カメラの映像を見せて欲しいんですけど……」


「う~ん、それはちょっとねぇ?

一応、プライバシーは守らなきゃいけない立場だし、もし見せるとしても手続きが面倒くさいんだよ……」


予想通りの答えが帰ってきて、俺は落胆した。


(そうだよな?そんな簡単に見れるはずないか……)


小さく溜め息をついて、諦めようとした矢先に、管理人さんが俺に言った。


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