あの夏の季節が僕に未来をくれた
「……何かあったのかい?」


見せてあげられないことを申し訳なく思っているのか、少し遠慮がちにそう聞いてくる。


「いや、実は弟の自転車が壊されてて……

その犯人が防犯カメラに映ってたらって思ったんです

ちょっと普通とは違うようなひどい壊され方だったので、誰なのか突き止めたくて……」


「え?弟さんの自転車が?」


「はい、そうなんです

僕も今帰ってきて、見つけたばかりなんですけど……」


「そうだったのか……

それじゃあ、犯人見つけたいはずだよねぇ……」


管理人さんは難しい顔をして何か考えてる様子だった。


きっと、死んだ弟を侮辱されたと、俺が思ってるって感じてるのかもしれない。


そこまで弟に心酔してるわけじゃないけど。


やっぱりあの壊され方は気になる。


もし、あいつじゃなければ、俺に対する当て付けかもしれないのだから。


しばらく考え込んでいた管理人さんが、思い立ったように顔を上げた。


「わかった、いいよ?」


「えっ?でも……」


手続きが面倒くさいとか言ってたよね?


< 170 / 248 >

この作品をシェア

pagetop