あの夏の季節が僕に未来をくれた
「……あの子じゃないかと思うの」


「えっ?」


母は仏壇から視線を俺に移してもう一度呟いた。


「あの子……なんだと思う」


「どういう意味?」


「さっき言った、夜のことだけど……

その時もお母さん、ジンジャーティーを淹れたの

雅紀にはあまり淹れる機会なかったけど、あの子の時にはよく淹れてたから、つい癖でね?

そしたら……

やっぱり母さんの淹れてくれた紅茶は美味しいなって……言ったのよ」


「それって……」


「そう……いつも飲んでなきゃ言えないセリフよね?

だからお母さん……もしかしたらって思ったの

だけど、もし雅紀が気を遣って言ってくれてたんだとしたらって思ったら……

確かめられなかった」


まさか……


俺が寝ている間に、あいつが俺になりすましてたってことなのか?


別の人格だと思っていた行動は全部あいつが?


「確かめられなかったのに、何でそうじゃないかって思うの?

だって、有り得ないよね?そんなこと……」


母の言うことはすべて推測で、俺が二重人格じゃないっていう証拠にはならない。


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