あの夏の季節が僕に未来をくれた
〈こんばんは
メールをありがとう
うちの高校ダメだったんだね……
なにもしてあげられなくてごめんなさい
でもS高に合格出来て良かった!
少し安心しました
保健室で会うことはないけど、もし何かあればメールでも相談に乗るからね?
あれから過呼吸はどうですか?
あまり無理はしないでね?〉
俺たちはそのメールをきっかけに頻繁に連絡をしあうようになった。
とはいっても、メールのやりとりばかりで会うことも声を聞くこともなかったけれど。
それからようやく彼女に会うことが出来たのは、俺が高校生になって初めての夏になる頃だった。
俺の通うS高校はN高校を通り越したもっと先にある。
当然帰り道はN高校の前の道を通るわけで。
ちょうどその帰り道に、前触れもなく俺は久々に発作を起こした。
自転車を傍らに止め踞る。
空気を求めるように喘ぎながら、鞄から紙袋を取り出した。
それを口に当て、何度か呼吸を繰り返す。
浅かった呼吸がだんだん深く出来るようになり、しばらくすると症状は収まってきた。
だけど顔色は最悪だったに違いない。
N高校の生徒がちらほらと帰る姿が見え始め、その誰もが遠巻きに俺を見ていた。
メールをありがとう
うちの高校ダメだったんだね……
なにもしてあげられなくてごめんなさい
でもS高に合格出来て良かった!
少し安心しました
保健室で会うことはないけど、もし何かあればメールでも相談に乗るからね?
あれから過呼吸はどうですか?
あまり無理はしないでね?〉
俺たちはそのメールをきっかけに頻繁に連絡をしあうようになった。
とはいっても、メールのやりとりばかりで会うことも声を聞くこともなかったけれど。
それからようやく彼女に会うことが出来たのは、俺が高校生になって初めての夏になる頃だった。
俺の通うS高校はN高校を通り越したもっと先にある。
当然帰り道はN高校の前の道を通るわけで。
ちょうどその帰り道に、前触れもなく俺は久々に発作を起こした。
自転車を傍らに止め踞る。
空気を求めるように喘ぎながら、鞄から紙袋を取り出した。
それを口に当て、何度か呼吸を繰り返す。
浅かった呼吸がだんだん深く出来るようになり、しばらくすると症状は収まってきた。
だけど顔色は最悪だったに違いない。
N高校の生徒がちらほらと帰る姿が見え始め、その誰もが遠巻きに俺を見ていた。