ヤンヤンデレデレ
瑞希一人の給料で、誉を養っても貯蓄が出来るほどの稼ぎはある。専業主婦らしく――いや、誉には、『外』という『危険区域』に出てほしくないのだが、「瑞希さんは出てるっ」とつっぱねられては、反論できない。
「今のバイト、どう?」
「ハンバーグセット100個、という伝票を打ってしまいました……」
「凄い金額になりそうだね」
ファミレスのバイトも駄目だったかと、布団をかけ直す。
「誉は家で俺の帰りを待っているのが――」
「私も早く、瑞希さんと二人っきりになりたいんです」
腰を座らせ、ベッドに手をつく彼を、横になる誉は見上げる。