ヤンヤンデレデレ
「私が大きいから、先生、高いチョコをくれたんですねっ」
「違うよ、誉。二十円チョコ一粒しかくれないどケチババアだよ」
今先生がいれば、拳の一つでも飛んできたところかと、至極どうでもいいことを考える。
「本当に、昔からあの人はケチな人だ」
十円チョコどころか五円チョコしかくれないような育ての親。院の子供たちの養育費なんて人々の税金や寄付で成り立つのだから、贅沢は敵だ精神は正しいし、あの先生は贅沢(それ)がなくとも皆から好かれる要素を持つ。
ご褒美の五円チョコに喜ぶよりかは、大口開けて笑い誉めてくれる先生が見たいから、との理由の『いい子』が多いほどなのだが。
「いただきますっ」
チョコを喜んで頬張る誉は――“こんなことでも嬉しかった”。