ヤンヤンデレデレ
やり過ぎとは思わない更なる罰を与えたがる瑞希に、誉は首を振った。
「燃やしてきました」
簡潔に、“もう終わった”と言う。
「『八千円でいいです』、って言ったら家まで招き入れたんで、さっき言ったことやって、ガスの元栓全開にして、タバコに火をつけたまま出てきました」
ともなれば、あとは自然と発火するであろう。酔っ払いの火の不始末として、放火とは思わない。誉なりに考えた行動でもあったが。
「そんな危ないこと、もうしないで」
いつも笑みを絶やさない彼が、泣きそうな顔になる。
「そんな奴の家に行くだなんて、仮にもそいつの家に男が何人もいたらどうするんだ」
「全部、燃やします」
「燃やすにしたってその前に、君のこの細い腕が掴まれ、体を組み伏せられたら――ああ、くそっ」
想像した自分が嫌になったか、奥歯を噛む。