ヤンヤンデレデレ
『遠くのサンタさんよりも、身近なサンタさんの方が親しみやすいのよぅ。お願い誉ちゃん、衣装はこっちで用意するから、一日だけサンタさんになってくれない?』
「瑞希さん、先生が『お願い』してます」
「断って」
「先生、また断ります」
『来てくれたら、誉ちゃん大好きなチョコをプレゼントしちゃうわよぅ!』
「行きます!」
瑞希が誉からスマフォを奪取したのは早かった。
「こ、の、性悪がっ。誉の好物をちらつかせやがって!」
「先生、先生っ。五円チョコ?」
『誉ちゃんは大きいから、チロルチョコ』
「十円チョコだ!」
「更に誉を懐柔するな!――誉、チョコなんていっぱい買ってあげるから、何もあっちに行くことはない、よ」
口が止まったのは、誉の目がランランと輝いていたため。要は、『行く気満々』の目に水さすのが躊躇われた。