ヤンヤンデレデレ


『どうするぅ?』


電話向こうの唇が、にやりとしたのがイメージ出来た。


『瑞希ちゃんにはまだまだ“貸し”があるしねぇ。ああ、そうだわ。今回サンタさんやってくれたら、誉ちゃんの好物はチョコ、って“教えてあげた貸し”の返済にあててあげる』


「っ、だからあなたは嫌いなんだ」


『心外だわぁ。私は別に貸しと思ってないのに、瑞希ちゃんが勝手に返済したがっているんじゃない』


「……」


返す言葉がなかったのは、正にその通りだったから。


貸し――つまりは、“恩”であり、瑞希が先生にしているのはさながら“恩返し”。


敵認定している先生に、“恩返し”だなんて気持ちなど持ちたくないため、当人は“貸し借り”として扱っている。


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