【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
私を逸らさずに見つめてくる琥珀色に、
囚われてしまいそうになった。
「……どうする?」
「……っ、」
どうする、って───。
ズルい。そんなこと言えないって、わか
ってるくせに。
好きだなんて、恥ずかしくて死んじゃう
。ましてや好きでもない相手に───。
「……バカ、泣くなよ」
気付けば、向坂くんが困ったように笑い
ながらそう言っていて。
そっと頬に触れると、雫が指先を濡らし
ていた。
あれ……泣いてたんだ、私。
「泣いたって許してやんねーから。ほら
、行くぞ」
「ぁ……っ」
「───それとも、好きだって言うか?
」
ニヤッと笑いながらそう訊いてきた向坂
くん。