【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
そんな意地悪な彼に、無言で首を横に振
ると、向坂くんは満足そうに頷いてから
、私の手を引っ張った。
電車に揺られて数十分。
ついたのは、大きなショッピングモール
だった。
「ここならそれなりに色々揃ってるし、
満足できんだろ」
腰に手を当てて、にんまりと建物を見上
げる向坂くん。
ふと、こっちを振り向いた向坂くんが、
不思議そうに首を傾げた。
「なーにキョトンとしてんだ、泣き虫兎
。まさかお前、ショッピングモール見た
ことねーの?」
「い、いえ……」
ただ、かなえちゃんと来ようとしてたの
も、ここだったから……。
一瞬、全部見透かされてたのかと思っち
ゃった。