空の果てへ


「おい、唇切れてんぞ?」


座っていた俺を覗き込み、苦笑いしている土方さん。


全く気づかなかった・・・


唇を、手で触ると確かに切れていた。


そんなに、きつく噛み締めてたのだろうか?



「どうした?考え事か?」


「・・・まぁ、そんな感じです」



そうか、と笑う土方さん。


何で、死を、負けを目の前にして笑っているんだ?


・・・笑っていられるんだ?



「土方さん」


「何だ?」



こんなこと、聞いちゃいけないのかもしれない。


でも・・・聞いておきたかった。

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