空の果てへ


*市村 鉄之助side*


「おい、待てぇっ」


何日も走り続けた。


何度も、官軍に捕まりそうになって。


その度に、必死に死に物狂いで逃げて。


もう、今の僕には新撰組という旗を背負った、武士の影は無いだろう。


それでも、いい。


手に握り締めた、遺髪と遺影をちらりと見る。


凛々しい、副長の姿。


薄汚れた自分には、到底及ばなかった偉人。


今頃、戦っておられるのだろうか?


< 195 / 221 >

この作品をシェア

pagetop