夢のまた夢
暫く捕盗庁の敷地内をうろうろとしていたら、小さな訓練所らしき場所が見えてきた。
昼間なのに木が多くて薄暗いし、裏門に近いから人通りも少ない。
そっと近づいて訓練所を見ると、一人の武官が弓を射る姿が目に入った。
『ん?あれは護衛軍のお偉いさんが着る衣装だわ…。』
護衛軍は軍の中でも最も待遇がよく、衣装も他と違って質が良いから、一目で護衛軍の武官だと分かる。
いつも刀や槍を振るのしか見ていないから、弓を射る姿が目に焼き付いて離れない。