夢のまた夢
矢は確実に中心へと向かい、
外す事なく命中していく。
後ろ姿しか分からないけど、腕の良さは一目瞭然だ。
こんなに素晴らしい腕を持った人を見た事がないわ…。
一つ一つの動きが綺麗で、時間が経つのも忘れてずっと見続けていると、ふいに武官がこちらを向き、視線が交わる。
あれ、あの顔どこかで見覚えが………。
健康的に焼けた肌、武官らしい体つき。
そして鋭い眼光。
『あ!』
もしかして"あの人"なの?!
数日前見かけた時は普通の格好で全然分からなかったけど、お偉いさんだったんだ。
こうしちゃいられない。
早く逃げなきゃ!