鐘つき聖堂の魔女
顔を赤らめながらも睨みつけるリーシャにライルは笑いが込み上げる。
小馬鹿にしたような笑みに見えたのだろうか。更に顔をしかめたリーシャの頭を撫でるライル。
「苛めてごめん。約束通り家事はやっておくから」
「洗濯だけは自分でする」
謝罪に対して素直になれないリーシャは頬を膨らませたままライルの手から逃れる。
そして、くしゃくしゃになった髪を整えながらぼそっとそう呟いた。
ライルにはその反応すら新鮮で面白く思えたが、これ以上リーシャの機嫌を損ねないよう笑いを堪える。
「あぁ、そうだったね。俺もその方が助かるよ」
ライルの視線から逸らされた横顔はほんのり赤く染まっていた。