†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


だけど「大丈夫だ」と言われても

その後助けてくれる様子も無くて、半信半疑になってしまったけれど

千景や地下で捕まっていた冬夜の事もあるし

いろいろ準備が必要だったんだと、今なら思える。

それに、あの時助けてくれていなければ

私は今ここに、冬夜と一緒に立っていない。




「さて。お前たちが来た理由は大体分かっている。」

「なら話が早いな。零士と千景の行方について、だ。」

「・・・騒動が静まった後、零士の身体が安置されていた場所に行ったが・・・既に、零士の身体はそこに無かった。」

「無かった?誰かが動かしたっていうのか?」

「・・・千景が。千景が、零士って人と一緒に逃げた、って言う事はありませんか?」




未だに時々夢見る、あの時の千景の顔。

執念深くて、生きているなら絶対に何かしてきそうな予感がする。

可能性を言葉にしたら、冬夜は目を大きく見開いて

そして、白夜さんは感心したように頷いて私を見てきた。




「瑞姫、何を言って・・・。」

「可能性は低いが、ゼロでは無い。」

「親父まで、バカなことを言ってんじゃ・・・」

「お前は、無いと言い切れるか?」



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