†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子

でも、表情は自分でもどうしたらいいのか分からなくて

なかなか上手く出来ず、無表情や能面・人形もどき

なんてよく言われていた。



そんな私に、慶仁さんはいつも「大丈夫、ゆっくりでいいから」と

頭を撫でながら優しい言葉をくれる。



だから、それに甘えてしまい私の表情は薄い。

いや、未だに感情を表に出すということが、よく分からない。



一番の問題は、私の“ 瞳 ”の色。



慶仁さんと奥様は、濃い茶色の瞳。

私は、月のような琥珀色。

周りの皆には無い、瞳の色。そして感情の薄さ。



幼い子供にとっては、養父でも実父でも関係ない。


自分や周りと違うものを見たとき

子供は正直で、時に残酷なことを平気で言うのだ。



それは私が、慶仁さんのもとへ引き取られ間もなくして

小学校に入学した時だった。


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