あなたのキスで世界は変わる


「差し入れです。みなさんで飲んでください」



教卓にそれを置くと大きな音がして、重たかったんだろうなと分かる。


それを笑顔で持って来るとは…


さすが先生。



「さんきゅう、先生!」


「先生どこ行ったんだろって話してたんですよ〜」


「サボってたんじゃないんですね」



みんながいっせいに先生のところへ駆け寄る。


それを遠巻きで私は見つめる。


先生の気持ち悪い笑顔しか見なくなって、本当の笑い方なんてもう忘れてしまった。


…って言えたらいいんだろうね。



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