あなたのキスで世界は変わる
なんだか可笑しくなっちゃって笑う。
「いいよ、無理しなくて」
「え?」
「今さらそんな家族ごっこみたいなことしなくていいよ。祝ってくれなくていーし」
冷蔵庫をバンッと閉めて、私は二階に上がった。
自分の部屋に入るとベットにボスッと座ってため息を吐く。
…せっかくチャンスだったのに。
家族ごっこ、なんて言って。
私って馬鹿じゃないの…。
本当は誕生日覚えてくれてて嬉しかったくせに。
本当は
ーー家族になりたいくせに。
でも時間が経って、どう素直になったらいいのか分からない。