あなたのキスで世界は変わる
目があった彼の瞳が揺れてる気がした。
不安なんだってわかってる。
佑夜はいつだって不安を抱えて私の隣にいてくれてる。
…お姉さんいないって…
「練習した?」
「す、するかよ…!」
「あら残念」
見た目に対してそこら辺ウブなのが可愛い。私と違って経験がないから。
それを私が奪っていいのかも危うい。
だけど。
ーーチュ。
誰もいない放課後の教室の隅。
佑夜の頬に軽くキスをしてみた。
「人生で一番の誕生日にしてね」
「…うん、する」
「ありがとう」