あなたのキスで世界は変わる


どこがよ。



「私の言うことを文句ひとつ言わず、みんながしてたのは、みんな私が怖いからでしょ?」



そんなのまとめるって言えない。


恐怖で言うこときかせるのは、違うよ。
そんなの、先輩と同じじゃん。



「怖がってるのは小川のことをよく知らないから」



自然と当たり前みたいに私の横に立つ先生。すごく近い。肩が当たってる。


ドキドキ言ってる鼓動を誰か止めて。



「でもそれは小川の才能だよ。リーダーシップが取れるひとは何かしら嫌われてなんぼって思ってるひとしかなれないよ」



何気なく私の頭を撫でる手は
すこし前となんら変わらない、優しい手だった。


それが無性に心をくすぐった。


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