あなたのキスで世界は変わる


でも、信じられない。


あいつと私…
前に会ったことがある…?


廊下を歩きながら考える。


まったく、憶えてないのはなんで?



「小川さん」



不意に低い聞き慣れた声が私を呼んだ。


刹那に広がる安心感。


勢いよく後ろを振り返ると、そこには微笑む先生がいて。


先生…!


今すぐ抱きつきたい衝動にかられるけど、他に生徒がいるから出来ない。


思わず笑顔になった顔。
緩んだ顔を戻すために咳払いをして眉間にシワを寄せる。



「…なんですか?」


「ちょっと、お話があるのでいいですか?」



話…?


生徒指導室の扉を開けながら先生が微笑む。
私は黙ってその扉の奥に行く。


先生、先生…

私を今すぐムチャクチャに壊して。


今すぐーーー…


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