ＫＡＴＡＮＡ
第２章 【“Ｋ”】
サオリの両親が病院に到着したのはそれから30分後の事だった。

車から降りてジンの前に現れたサオリの両親は二人ともる魂の抜けたような顔をしていた。

サオリの父親は大企業サイラス・コーポレーションの社長ロバート・サイラスでサオリは彼の１人娘だった…。

『ジン君…』

サオリの父親、ロバートがジンに話しかけてきた。

その時のロバートの顔は必死に涙を堪えているようで、痛々しかった…。

『すいません！俺が傍についていながら…』

ジンは咄嗟に謝罪した。

すると、ロバートはジンの肩をポンと叩き、

『君のせいじゃないさ…』
そう呟き、とうとう泣き崩れた。

ジンはその場から逃げるようにサオリの元に向かった。

すると横たわるサオリの側に人影があった。

それはサオリの母親、マユミ・サイラスだった。

彼女はもはや泣き疲れて放心状態だった。

そして全身の力が抜けていて、ジンの存在に気づいた様子もなかった。

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表紙・目次

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