弱小バスケ部の奇跡
……〝ナイスディフェンス〟
あたしは笑って頷けなかった。
「ロールとか、そういう技への対応はこれから練習すればいいよ。だってまだ、練習始めたばっかだし」
未希はそう言い残してあたしの肩をぽんっと叩くと、ドリブルしてレイアップを決めた。
…………ぜんっぜん、ナイスディフェンスなんかじゃないよ、未希……
だってあと、1ヶ月もないんだよ、中体連まで。
初めてだろうとなんだろうと、こんなのができないんじゃ、あたしはディフェンスで働けない。
あたしは爪が食い込むほど強く、拳を握った。