上司と上手につきあう方法【完結】

――――……



「えっと……お疲れ様です……」



私はぺこりと頭を下げながら、生ビールの入ったグラスを持ち上げた。



「ああ、お疲れ」



永野部長もうなずき、細身のグラスを口に運ぶ。



なんと、なんと――

部長と居酒屋に来てしまった！



ドキドキしながら、カウンター席の隣に座る部長を盗み見る私。


彼の喉仏が上下する様子を見ていると、クールな大人の男がビールを飲んで、ほんの少し満足げな顔をすると、いう絵面は思うほど悪くない。
いや、むしろいいかもしれない、なんて思ってしまう。


ビールを飲む部長の横顔をこんな至近距離で見る日が来ようとは……

社内の飲み会じゃ、あんまり近寄らないようにしてるから、普段見れないものを見れて、なんだかすごい得した気分だ。