上司と上手につきあう方法【完結】
「――ムカツク……」
思わず本音が口から漏れた。
けれどその対象は部長じゃない。部長の彼女だ。
部長にどうにかなりそうなくらい好かれてるあの彼女に、私はヤキモチを妬いている。
いや、ヤキモチなんて可愛いもんじゃない。とにかく羨ましくて死にそうだった。
そして結局、一番ムカつくのは、文句たれたれなくせして、素直に一時間も待っている自分だ……。
見込みのない片思い。
それは最初からわかってる。
だけど、私だったら、あんな風に泣かせたりしないのに。
大事にするのに……なんて、無駄なことを考えてしまう。
「ううう……」
その場に、ズルズルと座り込んでいた。