上司と上手につきあう方法【完結】

「――ぶ、ちょ……?」

「お前、どうしてそんなところに小さく丸まってるんだ!」

「は、はい……?」

「帰ったのかと……思った」



私を抱きしめたまま、ホッとしたように息を吐く部長。

どうやら暗い玄関のドアに近いギリギリ内側にしゃがみ込んでいたせいで、一瞬視界に入らなかったようだ。


でも、小さく丸まってるって……
そんなに私、丸いかな。


最近ダイエットとかあんまり意識してなかったけど、部長はシュッとしてるし、私、十分『丸い』にカテゴライズされちゃうのかも。

――って。


私今、めちゃくちゃ現実逃避してた……。


部長の胸に頬を押しつけたまま、ごくん、と息をのむ私。


だって、こんな状況、意味不明だし。

ドキドキ、心臓の音がうるさいよ。

どうしよう。早死にしそう……!



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