上司と上手につきあう方法【完結】

落ち着けー落ち着けー。


自分に言い聞かせながら、何度か深呼吸を繰り返し目を閉じる。


部長、もしかして走って帰ってきたんだろうか――

ぴったりと押しつけられた彼の胸からは、心臓の鼓動がじかに届いて、さらに呼吸も荒いことが伝わってくる。


彼女との会話の中で、何かあったんだ……。


チクッと胸が痛くなる。

だけど……


決意し、目を開け、おそるおそる、顔を上げると、部長のシャープなあごのラインが目に入る。

マジマジと見てみれば、彼の顔は、たった一時間でひどくやつれているように見えた。



「何が、あったんですか……?」

「――いや……」



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