上司と上手につきあう方法【完結】

一人で楽しめることはたくさんあるけれど
二人だともっと楽しいこともある。



彼を自分の部屋に連れ込んだのは、そういうつもりだったからだ。
きっと彼は私を楽しませてくれるに違いないと、なんとなく直感が働いた。


部屋についてすぐ、まだ少し固い態度の彼のスーツの上衣を脱がし、ハンガーにかける。

ネクタイも外したほうがいいと言うと、彼もそう思ったのか、自分で外した。


きっといいネクタイなんだろう。無理にグイグイひっぱらずに、丁寧に外したネクタイを丸めて棚の上に置く。

そう言う仕草に、部長ってやっぱりボンボンぽいな、なんてことを思う。




「部長、こっちです」



彼をここに連れてきた理由は、オフィスの廊下で説明済みだ。


私を満たしてほしい。

ただ、それだけ――



「お願いします……」



部長は覚悟を決めたのか、ゆっくりとうなずいた。



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