天使みたいな死神に、恋をした
私に見られていることに気付いたアンジュラは私の方に顔を向け、にやりと笑った。
正面から見た死神の口元には鋭く長い牙が左右に一本ずつ。
そして風が強くなって、光が増して、辺り一面が真っ白になる前に、何かを言おうと開いた口の中は、
滴る鮮血のように真っ赤だった。
ぞわっと背中に鳥肌が立ったとき、強風に煽られるように呼吸が苦しくなり、目を閉じて再度手の甲を顔に押しつけた。
不気味な風の音が耳に響き肩をすくめ、瞼をぎゅっと閉じて時が過ぎ去るのをじっと待った。