天使みたいな死神に、恋をした
「ですから、こっちで私と一緒になるということを考えてみてはいかがでしょうか」
するりと滑らかに出た言葉は出会って間もない人に言うような言葉じゃない。
これが生身で生きている人間だったら、完全に、なんちゃら詐欺に等しいだろう。
そんな甘い言葉に舞い上がりそうになる私の羽の生えた心臓を地に足を着けた私の意識がカウボーイよろしく太いロープをぐるぐるに心臓にからませ、天高く飛んでいこうとしている私のハートを強く、強く、果てしなく強く引き戻す。
「まぁ、待ちますよ。いくらでも」
なんて無責任すぎる上に独裁的な物言い。
私が『はい、わかりました、喜んで』とでも言うのを心待ちにしているような言い方。
その言葉は正直嬉しい。なんとも思っていない人から言われたらキモいけども。それでも私にはまだやり残したことがあるからこっちに来るわけにはいかない。