天使みたいな死神に、恋をした

 そしてからの、声を大にして言いたい。
 
 知ってましたか皆様! 死んでからも酔っ払うよ。
 
 厳密にはまだ死んではいないんだけど。

 私が今いる状態は丁度そう、死んでる人と生きてる人の真ん中、中間地点だ。
 
 つまりどっちに転がるのも私次第なところに位置してるんだけれども、これだって今のところ自分で決められるってのがまたとんでもないシステムだけどね。
 
 お酒はどっちの世界でも、それなりにけっこう飲んだらやはり酔う。酔いますよ。これから仏壇に備える酒類はなるべく少なめにしようと思う。
 
 私はいいかんじにほろ酔いでもこの死神に至ってはケロっとしていてペースすら落ちない。
 
 そのお腹に入った酒は一体全体どこに流れているんだろうかと不思議に思う。


「アンジュラ!」

「はい、なんでしょう」

 人指し指をアンジュラに突き指してみる。

 その指をまじまじと見ているが嫌な顔はひとつもしない。

 普通は嫌がるんだろうけど、この死神は『あ、指ですね』的な感覚。
 
 なんとも思っていない。
 
 コッチの常識はアッチの非常識的。

「なんであんたそんな普通なの? もしかして飲んでるふりとか? じつはどっかに流してるとかでしょ? だって酔わないのっておかしくない?」

「ええと、酔うという意味が全くもって分かりませんが、はい、ちゃんと飲んでますよ。私は物は大切にしていますからね。このビールだってあなた側の方が送ってくださっている供え物なので。飲むフリとかそんなものはあり得ませんね、物に失礼でしょう」

 この死神さっきから変なとこで真面目だな。
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