天使みたいな死神に、恋をした

「うっわ! つめたっ、やばっ」
 
 氷を触っているような錯覚。こんなに冷たかったっけ? 顔、冷たっ! まるで冷凍庫の中身を触っているようで、
 
 まるでこの冷たさは……人に例えるなら……い言えない。言えないけど、きっとたぶんそっくりだ。
 
 思わず包み込んでいた手を素早くさっさと引っ込めた。

「お酒は冷たいですからね、きっと体を冷やすんでしょうねぇ」

「冷やすんでしょうねえって、自覚は無いの? てか、そんな繊細なお体でしたっけ?」

「私の何をご存知で?」

 いや、それは逆によかったかも。

 万が一普通の体温だったりしてたらきっと……
 
 至近距離で見たアンジュラはやっぱ怖い顔してた。

 怖いけどなぜかいい顔に思えてくる。

 やばい。

 そしてこれも、もう何回も言ってるけれども、死神にしとくにはもったいないと思う。
 


 だからあのままだったらきっと私は……
 


 いやいやちょっと待て、この先はあまり考えるのはやめよう。

 だめだ、考えたらきっとバチが当たる(と思おう。思おうじゃない。思うだ)
 
 思わずあの目に吸い込まれる所だった。危ない危ない。
 


 悪魔だ! こいつは悪魔だ! 

 死神も悪魔もこの際もう変わりはしない。

 ジャンル的には一緒のくくりにしてやれ。

 今さっきの危ない出来事を忘れるようにシュパッとビールを開け、ごくごくと流し込んでやった。
                           
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