天使みたいな死神に、恋をした

 何事も無かったかのように、アンジュラは自分の頬を触っている。
 
 そんなに冷たいでしょうかねぇとぶつぶつ言いながら、あちこちをぺたぺたと……
 
 自分のことは分からないとはよく言うが、こんだけ冷たいのに気付かないのもまたびっくりだ。


「そういえばさ、ルーインの頬って触ったことある?」

 まさかの天使も冷たかったらなんか引くよ。

 
 あのですねえ、と、またしても真面目な顔。


「考えてもみてください。男同士でそんなことしてたらどう思います?」

「変」

「でしょう」

「でも二人とも最初から変なんだから別にいいんじゃない?」

「あなたにそれを言う資格はあまりないことを自覚してくださいね。それに私たちは変じゃありませんよ」

確かに私は思ったことを口に出すさ、出すけどもだ、憤慨しながらわずかに残ったビールを喉の奥に流し込み、上を向いたところで固まった。
 
 いつの間にかそこにはアンジュラの顔。その顔は意地悪に笑っているように見える。
 
 今まで目の前にいたのになぜ?

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