天使みたいな死神に、恋をした

 睨む私、微笑む死神。大人になろう。

「何回か言いましたが、それは致しかねます。私はたった今、自分の体に戻ってみるということを決めました」

「ああ、結局そうですか。すっごい痛いですよ。目覚めたら」

「い、いいです」

「きっついですよこれから。後遺症もあるかも」

 あるの? あるの? あるのー?

「あるの?」

「もしかしたらの話」

「死神がもしかしたらの話なんてしてんじゃないわよ」

「それはすみません」

「兎に角、私は戻りますよ。あと3時間しかないんでしょ? だったら早く……」

「あぁ、もうあと30分ですね」

「30分!!!」


 なんの話それ! もうそんなに経ったわけ? いつそんなに時間が経ったの!

 そりゃ亮も泣き続けるわけだ。てか、どう考えても5分くらいしか経ってないじゃん! という私の言葉は発する前に効力を失う。
                                                             

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