天使みたいな死神に、恋をした
「ばかかお前は! さっさと早く体に戻れって!」
ぽかんと頭をぶったたかれた。犯人はもちろんルーインだ。
「ちょっとなんで叩くの! 信じられない」
普通叩かないし!
頭をおさえて睨みつけた。
「のんびりしてる時間ないぞ」
「30分しかないんでしょ」
「分かってるなら早くしろ。今回はまじでやばい」
この前トライした時、ものの何秒かだったじゃん!
なんでそんなに焦ってるのこの堕天使は。
「万が一また戻れなかったらもう試す機会はないぞ。お前は完全にこっち側の住人になる」
「そうだよね、なんでも二回目はないってことだよね」
「ああ、良く分からないけどそんなかんじじゃないか」
またも戻れないってことだって可能性としてあり得るわけだ。
(絶対にあってはならないことなんですが)
「アンジュラ、私、帰る、ちゃんとケリつけてこないと。じゃないとなんかもやっとしてて気持ち悪い」
死神は口元だけで笑んで、何も言わなかった。