天使みたいな死神に、恋をした

「ここには誰と来た?」

「あぁ」現実に戻った。

 これ以上見とれる前に視線を床に落とした。

「アンジュラだったかな。死神? と一緒にここへ」

「まじかよアンジュラ! なんであいつここに連れてくんだよ! っとにタコが! ほんと使えねー」



 ええと……と、ちょっと前に私が思ったことは撤回。

 こんなあまりよろしくないワードがぽんぽん出てくるなんて思いもしなかった。



「アホかあいつは! 自殺者連れてきやがってボケが。また鬱陶しい問題を持ち込みやがってあの野郎」



 完全撤回。この人天使じゃないかも。それに何回も言ってるけど、



「だから自殺なんかしてないんですって」

「だったらアンジュラんとこには行かねーんだよ。行かねーはずなの!」



 綺麗な顔のその下には、悪魔な顔を隠し持ってる。
 


 と、心で言ってみる。

 

 よし、何も言ってこないってことは、今回は私、口に出してないってことだね。









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