天使みたいな死神に、恋をした
「じゃ、行きましょうか」
アンジュラは音も無く立ち上がると、ぬぼーっと背が高く、威圧感が半端じゃない。
「どうぞ」
伸ばされた真っ白い手は、よく見りゃ爪は葡萄のような紫色で、長くてキモイ。
「あの、けっこうです」
触ったら最後、このまま地獄に連れて行かれそうになりそうなので、丁重にお断り申し上げた。
行き場を無くしたアンジュラの手は、小指から親指の順に空中でピアノを弾くように優しくゆっくり動かし、そのままローブの中に吸い込まれて行った。
見上げなければ顔が見えないくらいに背が高い。
けど、深い闇のような黒いローブの奥の方に顔があるようなので、顔は全く見えない。
私はさっきから顔の見えない誰かとずっと話をしている。それってあまり気分のいいものじゃない。