気まぐれあの子は猫系女子っ!!【完結】



「夏音は、四才までは俺と妻と親子三人水入らず暮らしていたんだ。」

 しかし、それは五才になる前に壊れてしまった。

 お母さんはその頃にうつ病の前兆のような症状が出てきて、おかしな行動をとるようになった。

 テーブルに頭をぶつけながら『ごめんなさい、ごめんなさい』と繰り返し呟くようになったり、
 いきなりカウントダウンをし始めたり、
 少しお父さんがちゃんとしないから怒って叩いただけで家庭内暴力だと言って警察を呼んだりした。

 ずっと耐えたものの、それも限界になったお父さんは夏音に『どっちについていく?』と、四才には厳しいことを尋ねた。

 彼女は少し迷ったけれど、うつ向いて悲しそうに『お父さんについていく』と言った。

 それからは二人きりの生活が始まった。



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